晴れのち雨ときどき曇り

「ひ、日向君」

 次の中休み、星野がおずおずと俺に話し掛けてきた。

 この態度が好意からのものだとは思えない。

「これ、あの…垣本君にあげて下さい」

 星野は、あの水族館で選んでいたストラップを手渡した。

 あの時よりも、敬語が固くなっている。

 学校という場がそうさせているんだろうか。

「…何で、俺に渡してんの?」

「それは…と、とにかく、宜しくお願いします!」

 星野は、そそくさと自分の席に戻って行った。

 俺は、妙な勘繰りをしてしまう。



(元々、星野は集団で何処かに行くようなタイプなのだろうか。)



 何か理由がある筈だ。



(例えば、好きな相手が来るとか…。)
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