晴れのち雨ときどき曇り

 大体、顔が怖いらしい俺と関わる奴も珍しい。

「じゃあ、アタシもー」

 その子は、いきなり隣に座る。

 俺は、ますます苛ついてしまう。

 登校の時も日差しが痛いくらいに強かった。

 俺は、思い出していた。

 いつか彼女は、具合が悪かったら保健室に行くように言っていた。

 声を掛けるようにとも言っていた気がする。

「陽平君って、好きな人居る〜?」

 今まで、保健委員の彼女を思い浮かべていたので、つい星野の顔をリアルに思い出してしまう。

「……」

「居ないなら、アタシ、立候補していい?」

「…は?」

「考えといて?」


 彼女は、そう言って去っていった。


(立候補?)


 俺は額に手をやって、溜め息を吐いた。
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