晴れのち雨ときどき曇り

ゆらゆらと、水槽の水が煌めいていた。

魚たちが優雅に泳いでいる。

私の隣には日向君が居る。

私は、先刻の、目を閉じていた彼を思い出した。

(……怖いって言うより,繊細な人……だったりして……)

彼は,いつも不機嫌そうにしているイメージしかなくて。

あの日も,そうだった気がする。

一段と陽射しが強い,夏の日。

彼はグラウンドの日陰の方にいた。

私の友達は,皆,日向君はサボりって言っているけれど……。

時折,彼の目は眩しそうに此方を見ている気がした。


(本当は,ちゃんと体育にも出たいんじゃないのかなぁ……)


そんな事を女友達に言ったら,笑われたけれど。


だって,日向君は……。
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