晴れのち雨ときどき曇り
私は、恥よりも自分の健康をとった。

風邪を引くよりは少し恥ずかしい姿になる方がマシだ。

もう他の生徒も居ないだろうし、フードを深く被ってしまえば、誰も私だとは気付かないだろう。

私は、そうやって自分に言い聞かせながら靴を靴箱に入れた。


「……防災?」


後ろで聞こえた声には、聞き覚えがあった。

「それ、晴子ちゃんの?」

気遣いなのか、あえて私のカッパなのかと聞かないところが余計に腹立だしい。

(あの女の子と一緒に帰った筈ではなかったか。)

私は、ハッとして周りを見渡す。

もしかしたら、あの女の子が来るかもしれない。

流石にこれ以上、この姿を人前に晒すほどには羞恥心を捨ててなかった。

「職員室に、もう傘がなくて……これを借りたの」

私は、カッパのフードをぎゅっと掴みながら言う。

「やっぱ傘なかったかぁ」

「え?」


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