晴れのち雨ときどき曇り

「どうして?」

「だって、俺って読書家じゃないし。ああいう本って、もう無いでしょ」

雨谷君は、そう言いながら目を反らして笑う。

「うん」

「晴子ちゃんと居ると楽しいし、図書室にも行きたいんだけど」

「……楽しいの?」

「楽しいよ!晴子ちゃん、面白いし」

「私って面白いの……?」

「うん、かなり」

私は雨谷君の言葉が信じられなかった。

「そんなこと、初めて言われた」

「そう?」

「うん」

「そっかぁ……」

雨谷君は嬉しそうに笑う。

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