晴れのち雨ときどき曇り

「……他の本、読めば?」

その提案は自分でも間抜けだったと思う。

「どんなのが面白い?」

「そうだなぁ……」

「あ、晴子ちゃん、待って!」

「え?何を?」

「それ、学校で聞くから!今言っちゃダメ」

「……ねぇ、あのさ。夢は夢なんだよ?私が覚えてないかもしれないとか考えないの?」

「でも、覚えてるでしょう?」

「そんな確証ないよ」

「……じゃあ、さ」

雨谷君は、私に向き直る。


「図書室に行っても、雨が降らなかったら……学校が休みの日に出かけない?」


雨谷君は、そわそわしながら言う。


「雨、降らなかったこと、無いでしょ。私なんて、図書室に置き傘してるし」
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