晴れのち雨ときどき曇り
 彼女は本が好きらしい。

 俺にとって、本は枕か睡眠効果のある呪文教本みたいなものだった。

 煩わしそうに図書室の鍵を開け、準備をする。

 彼女の空間に入るのは、これで2回目になるんだと思う。

「夢の診断できる本ってある?」

 俺がそう言った時の晴子ちゃんの顔と言ったら。

 まさに、あの時に見た顔だった。

 彼女は、面倒くさそうに本を案内してくれた。

 夢診断。

 本のタイトルにはそう書いてあった。

 他にも、似たような本が多いので聞いてみたら、彼女が購入希望したらしい。

(晴子ちゃんも、何か夢について知りたい事があるのかな…。)

 俺が、不謹慎にもページを捲りながら上の空になっていると、彼女は、俺に座るように促した。

 俺は、それがとても嬉しかった。

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