晴れのち雨ときどき曇り
確かに私は本が好きだ。
だから図書委員にもなったんだけれど。
転校してきて良かったのは、今の中学の方が図書室が広くて整理されてる事。
此処の付属高校には、もっと大きな図書室があるのかと思うと、今から嬉しくなる。
私は、放課後の図書室の雰囲気も気に入っている。
「夢の診断できる本ってある?」
私は内心かなり驚いていた。
手に握っていた図書室の鍵を落としてしまうところだった。
「……それなら、人文の棚にあるから。……ちょっと待ってて」
私は平静を装って鍵を開け、ドア近くの電灯のスイッチをオンにした。
「図書室なんて来ないから、よく分かんないんだけど……」
その言葉尻は私を苛立たせたけれど、ここで追い出すのも癪なので本の所在を丁寧に説明した。
「結構あるんだ」
「……年に何回か本の購入希望を出せるの。その本、私が頼んだやつ」
彼は私に背を向けてながら「へぇ……」とだけ呟いて本を捲る。
「座って読んだら?」
私は何の気なしに言った。
雨谷空は振り返って太陽みたいに笑うと、幾分か大きな音を立てて椅子を引いた。
だから図書委員にもなったんだけれど。
転校してきて良かったのは、今の中学の方が図書室が広くて整理されてる事。
此処の付属高校には、もっと大きな図書室があるのかと思うと、今から嬉しくなる。
私は、放課後の図書室の雰囲気も気に入っている。
「夢の診断できる本ってある?」
私は内心かなり驚いていた。
手に握っていた図書室の鍵を落としてしまうところだった。
「……それなら、人文の棚にあるから。……ちょっと待ってて」
私は平静を装って鍵を開け、ドア近くの電灯のスイッチをオンにした。
「図書室なんて来ないから、よく分かんないんだけど……」
その言葉尻は私を苛立たせたけれど、ここで追い出すのも癪なので本の所在を丁寧に説明した。
「結構あるんだ」
「……年に何回か本の購入希望を出せるの。その本、私が頼んだやつ」
彼は私に背を向けてながら「へぇ……」とだけ呟いて本を捲る。
「座って読んだら?」
私は何の気なしに言った。
雨谷空は振り返って太陽みたいに笑うと、幾分か大きな音を立てて椅子を引いた。