晴れのち雨ときどき曇り
俺は、目次から雨、雨…と口の中で唱えながら、ページを捲っていた。
急に湿った空気が肌についた。
俺はどうやら「雨男」らしく、雨とはかなり仲が良い。
窓際で、晴子ちゃんは信じられないと言う顔で空を見上げていた。
その姿が夢とシンクロしていて、俺は窓の近くに行った。
窓枠から手を伸ばして、空気を探る。
彼女は、傘を持ってないようだった。
俺は、彼女が図書室にまだ居ることを確認してから、急いで教室まで走った。
雨なら、慣れている。
鞄にはいつも傘。
傘は必需品だ。
教室には、まだ友達が何人か残っていた。
「雨谷、お前、傘持ってない?」
「持ってるけど今日は無理!」
俺は、鞄から傘を思い切り引っ張り出す。
そして、教室を飛び出して階段をかけ上がる。