晴れのち雨ときどき曇り

 図書室に誰も居ない事を確認して、怪訝そうな顔をした女の子の目の前に傘を差し出した。

 俺は、この雨が自分の所為だと説明すると、彼女はもっと怪訝な顔になった。

「でも、雨って、雨が降るか降らないかの2分の1の確率でしょ?別に、雨谷君の所為じゃ…」

 彼女は真面目な顔をしながら話している。

 昔から、雨が降れば俺の所為になる。

 今ではもう慣れた。

 だから、そんな新鮮な反応をされたので、今度は俺が驚く番だった。

 彼女は、俺の沈黙に気付いて、傘なら職員室の置き傘を借りると言った。





 俺は、何か彼女に今のウズウズするような気持ちを伝えたかった。

 勝手に、何かお礼がしたかったのかもしれない。

 俺は、傘を押し付けるようにして手渡した。

 そして、彼女が始めに紹介してくれた本を借りた。



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