晴れのち雨ときどき曇り
 カッパを着たって、雨に降られれば寒いし、疲れるだろう。

 それが、彼女の親切ではないにしろ、彼女の気遣いであることは窺えた。


 彼女の家は商店街の方だと言う。

 俺は、遠回しに一緒に帰ろうと誘うが、彼女はあまり乗り気ではないようだ。


 どうやら、彼女は俺を苦手としているようだった。


 俺は、彼女に置いて行かれないように素早く靴を履き替える。

 下校時間も少し過ぎているので、ドアは1つしか開いていない。


 そのドアの扉を開け、傘を差しながら手招きをする。
 
 彼女は、観念したみたいに溜め息をひとつ吐いて、その傘に入った。


 雨は、パラパラと降っていた。

 今日は、そんなに激しくない。

 でも、雨は、俺が帰ろうとしたり、外に出ようするタイミングを見計らって降っている気がする。

 あの時も、彼女に一緒に帰らないかと言おうとすると、雨が降り始めた。

 何やら、天気にも阻まれているようだ。

 まぁ、結果的に一緒に帰れているから良しとするか。

 それに、本当は雨が嫌いではないから。

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