晴れのち雨ときどき曇り

 あの棚の本は、もう全て読んでしまった。

 手元の一冊で、終わり。


(終わり。)


(おしまい。)



俺は、その言葉を頭の中で反芻させる。




 終わりは、始まりがあるからこその“終わり”なのだ。

 俺は、何かを始めたのだろうか。

 図書室に行くこと。

 本を読むこと。

 彼女の夢に行くこと。


 どれも当てはまりそうなのに何処か違う気がする。

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