晴れのち雨ときどき曇り
少し経つと、階段を上るけたたましい足音が聞こえてきた。
「多分、雨って俺の所為だし。はい、傘!」
「雨って、雨谷君の所為なの?」
「どうもそうらしいんだよねぇ……雨男って言うか」
「でも、雨って、雨が降るか降らないかの2分の1の確率でしょ?別に、雨谷君の所為じゃ……」
「……」
私は、彼のきょとんとした顔を見て我に返る。
「そう言われると、そうかも……」
「傘なら職員室の置き傘借りるし……」
「いいから!ね?……あ。煩くしてゴメン。……この本借りていい?」
「うん。じゃあ、生徒手帳見せて」
彼は、私が始めに紹介した本を借りていった。
それから、いつもと少し違う図書室を閉めて学校を出る。
私は、雨谷君が貸してくれた折り畳みの傘を差しながら家に向かった。