晴れのち雨ときどき曇り

 夢じゃなくて。

 現実で何か始めたい。


(出来れば、晴子ちゃんと。)


 俺は漠然とそう思った。

 でも、その為の理由が欲しい。

 例えば、雨。

 雨が降らなかったら、何か始まる気がした

 今夜も、夢の中には彼女が居る。

 彼女の立つ場所まで、俺は、いつもより早く走った。



「今日は?行きたいとこある?」



 俺は毎回同じ質問をする。

 彼女が望む場所が何だか知りたいし、彼女が、自分で望むこと自体に意味があるのだ。


「その前に、お願いがあるんだけど」と彼女は言い難そうに口を開いた。
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