晴れのち雨ときどき曇り
《二日目》

「じゃーん」

 雨谷はこれでもかと言った風にニコニコしている。

「…え?これ、まさか夢の…」

「夢?あ、違う違う。作ってみたんだ」

「そう、だよね…」

「これ、晴子ちゃんの分」

「ありがとう…」

「今日はさぁ、何か降らない気がするんだよね!」

 雨谷は、てるてる坊主を窓際の手摺にくくりつけて自信満々に言った。

 その瞬間、バラバラと窓の外に水が落ちる音がした。

「…気がしただけだったみたい…」

 はぁ…っ、と雨谷は肩を落とす。

「雨ごいなんてあるんだし、逆も出来ないかなぁ…」

 雨谷は、きゅ、と紐を縛り終えてから言う。

 晴子は、つい、雨谷が空に向かって雨乞いする姿を想像してしまった。

 神主が御払いの儀式に着る様な服で、雨谷が空に祈る姿を。

「…図書室でやらないでね」

 晴子は、笑いを堪えるのに必死だった。

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