晴れのち雨ときどき曇り
新入荷のコーナーには、夏らしいグッズが置いてある。
風鈴をモチーフにしたペンや金魚の形をしたメモ帳など、この時期の文房具は爽やかで、綺麗だ。
透明感のある印象は、どこかあのクラスメイトを思い出す。
キーホルダー類が掛っている方に目を移した時、それは明らかに晴子に買って欲しいとアピールしていた。
それは、小指の先から第一関節ほどの大きさのファスナーアクセサリだった。
クリスタルのような光沢はブルーの輝きを放っている。
初夏の梅雨時期と言えば、カタツムリ、蓮の葉、紫陽花と商品化には事欠かないだろうだろうが。
「…てるてる坊主…」
晴子は、つい、その名称を口にしていた。
それは、てるてる坊主をキャラクター化したファスナーアクセサリだった。
しかも、お手頃な値段。
そして何と言ってもペアで傘も着いてくる。
晴子は、そんなお得感が堪らなかった。
ノートの上に、そのてるてる坊主が置かれるのは、そう遅くないようだった。