晴れのち雨ときどき曇り

「…ゴメン!…何でもない」

 晴子の戸惑いを察してか、雨谷は直ぐに視線を落とす。

「天気が決めることだもんね…。晴子ちゃんがどう思おうが、関係無いか」

 雨谷は、遠回しに晴子を責めてしまう。

 そんなつもりはなくても、その言葉は晴子にとって核心めいたものだった。


 天気が、決めること。

 確かにその通りなのだ。

 賭けなのだから、感情云々の話ではない。

 時間は勝手に進む。

 本人の意思とは関係なく、日々刻々と流れるように。

 その流れに晴子はただ逆らおうともせずに、不明確な意思で漂っているのだ。


「落ち込むなんて、雨谷君らしくない…」


 晴子は、思ったままを口にする。

 今、自分が言えるのはそれぐらいだった。
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