晴れのち雨ときどき曇り
「そうだよね!…うん、変なこと言ってゴメン」
雨谷が無理していることなんて、晴子にだって分かっていた。
しかし、その優しさに甘えるくらいのことが晴子にとっての精一杯であったので、それ以上、晴子は雨谷を追求できなかった。
本当は、無理なんてして欲しくはないのに、そう言えずに居る。
「…明日、忘れてなかったら良いものあげるから」
晴子は、あのアクセサリを買ったことを思い出す。
学校には持って行っていないから、朝忘れずに鞄にいれなくてはいけない。
晴子はそう思った。
「良いもの…?」
「うん」
雨谷が嬉しそうに「分かった」と笑ったのを見て、晴子はひどく安心した。