晴れのち雨ときどき曇り
《四日目》


「…はい、良いもの」

 晴子は、図書室に、誰も居なくなったのを見計らって、雨谷に商店街の文房具屋で買ったアクセサリを手渡す。

「良かった!」

「え?」

 雨谷はニコっと笑う。

「忘れてなかったら、なんて言うから…てっきり忘れてると思ってたんだ〜」

 晴子は、またあの締め付けられるような感触を感じた。

「…忘れてないよ」

 晴子は穏やかな声で言った。

「そっか。ありがとう」

 面と向かって礼を言われて、晴子は言い様のない充足感に満たされた。

「カワイイね。晴子ちゃんでも、こういうのカワイイと思うんだ」

「…それ、どういう意味?」

「べ、別に変な意味じゃないって!」

「…嫌いじゃないよ。何か、キレイだし…」

 雨谷は「そうだね」と軽く微笑んだ。
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