晴れのち雨ときどき曇り
「うわ。今日は土砂降りだー…」
晴子がふと横を見ると、そこには雨谷が居た。
「夢まで降るなんて…しかも図書室って…晴子ちゃん、もしかして俺と遊びに行きたくないの?」
雨谷は、冗談混じりに言う。
そして、嘘っぽく拗ねるみたく笑った。
(そんなことない。)
晴子は、その言葉を飲み込んだ。
「…晴れたら、いいね」
晴子はぽつりと言った。
夢のことを言っているのか、現実のことを指していたのかは明確に分からない。
「うん」
何と無く、主語をはっきりさせないまま、雨谷は頷いた。
そして、晴子の方を見て、もう一度だけ「うん」と静かに頷いた。