晴れのち雨ときどき曇り
《五日目》

 雨谷が、例の提案をしてから五日間が経っていた。

 晴子は図書室の手摺から身を乗り出して雨雲を確認する。

「晴子ちゃん!」

 久しぶりに聞いた自分を呼ぶ大きな声。

「…煩くしないって約束、忘れたの?」

 晴子は、表面だけたしなめるような態度を見せた。

「そんなことより、俺さ、気付いたんだけど!」

「何?」

「一週間って、土日どうする?」

 一週間と言う条件は晴子が呈示したものだ。

「あ…」と、晴子は間抜けな声をあげた。

「一週間って、七日でしょ?土日は学校来ないし…」

「…うん」

「今日で終わりって言うのはナシだからね」

 雨谷は、もう既に雨が降っているのに笑顔で言う。

「来週二日も入れてくれるんでしょ?」

「…いい、けど」

「やった!来週はね、ずっと晴れの予報なんだよ!」

 雨谷は、したり顔だ。
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