晴れのち雨ときどき曇り

 二人は仮定の話しを飽きるまでした。

 近くの水族館にするか、少し遠出して駅の方の水族館にするか、だとか。

 雨谷は晴子の好きなものを知りたかった。


 それは晴子も同じだ。


 片方が質問すれば、もう片方が同じ質問を聞き返す。


 浅いところで、確実に二人は深まっていく。

 少しずつ。

 少しずつ。

 夢は、二人にとって漂う様な不安定な繋がりだった。


 ただ、今の二人にはなくてはならない世界だった。
< 68 / 121 >

この作品をシェア

pagetop