晴れのち雨ときどき曇り
コースを周りながら、口を開いたのは雨谷だった。
「今日、何してた?」
「親の買い物に付き合ったくらい。…雨谷君は?」
「俺はゴロゴロして、ゲームして…って。何か改めて振り返ると実の無い休日っぽくない?」
「そんなこと無いよ。…私だって昼まで寝てたし」
キュ、とハンドルを回転させて晴子は答える。
「それ、俺もだ」
「…駄目だね。このままだと運動不足な若者、とかってレッテル貼られそう」
真面目な顔をして晴子は言う。
「大丈夫。来週は違うから」
雨谷は、含みを持たせて自信ありげに返した。
晴子はそれに、ただ笑って反応した。
「日曜も昼まで寝てたら、いつもより長く遊んでられるのかな」
雨谷は伸びをしながら言った。
乗り物に飽きた二人は、ベンチに座っている。
「…また昼まで寝てたら、お母さんに怒られそう」
「うーん…俺も」
「でも、試してみる?」
晴子がそう言うと、雨谷は勢いよく頷いた。
しかし、二人は日曜日の朝早くに起きることになる。
得てして、寝坊の出来る休日ほど、早く起きてしまうものなのだ。
二人は、違う家の違う部屋の違う布団の上で、同じような思い出し笑いをした。