晴れのち雨ときどき曇り
 《休戦日(日)》


 二人は、夢で会って直ぐに顔を見合わせて笑った。

 そう、うまく行かないねと。

 それから、どうしたら休日に寝坊が出来るかを二人で考えたりもした。

 夜遅く寝ると、会うのが遅くなるから駄目と雨谷が言えば、晴子は鋭く、それではそもそも意味がないと指摘する。

 二人の会話はいつもと変わらない。


 晴子は、こういう時間がずっと続いて欲しいと思った。

 でも、同時に「ずっと」と言う言葉が空空しいようにも思った。

 晴子は、あまり大それた事は望まないと決めていた。

 不相応な幸せや幸運は、自分が、どれだけ価値が無い人間なのか思い知らされるから。

 それに、単純に怖かった。

 ずっと、だとか。

 いつか、だとか。

 永遠に、だとか。


(今、分からないのなら無いのと同じなのに。)



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