晴れのち雨ときどき曇り

 晴子は、変わることを恐れているのかもしれない。

 ただ、何も変わらないことも怖かった。

 あと二日。

 そう思うと、晴子は、心臓の壁が軋む様な痛みを感じていた。


 その同じ痛みを、雨谷も感じていた。

 天気予報は何度も見た。


(明日明後日は、晴れ。)


 今日、鞄の内側につけた、てるてる坊主を眺めては、明日は晴れだと言い聞かせていた。

 夢の中で、晴子と話していても何処かソワソワしてしまう。

 明日は、絶対に晴れる気がしていた。

 何故だか、明日に晴れてくれなければ、もうおしまいになってしまう気がしたからだ。


 夢では、二人ともいつもの様に少し変わった時間を過ごした。


 現実ではない世界で。
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