晴れのち雨ときどき曇り
《最終日》

 昨日、初めて晴子の夢に雨谷が来なかった。

 熱があって早退したと言っていたし、具合が悪くてちゃんと寝られてないのかもしれない。

 晴子は、朝、鏡をぼーっと見ながら歯ブラシに歯磨き粉を絞りだす。

「晴子!ちょっと、聞いてるの?」

 鏡を見ると、後ろには母親が立っていた。

「…なに?」

「天気予報見た?何か、台風並みの雨と風で、学校が幾つかお休みになるらしいって。晴子の学校は?」

「…休みなら、連絡網で電話が…」

 晴子は、言い終えた後にハッとした。

「もし学校なら、気を付けなさいよ」

「うん。分かった」

 晴子の母親は、身支度をしてから忙しそうに家を出ていった。

 連絡網と言えば、晴子の前は雨谷だった。

 本来の連絡網なら、もっと早い時間に回ってくる筈だ。

 何れにしろ、学校が休みならば連絡網の後の人に影響が出かねない。

 晴子は、電話がある廊下に出た。

 その時、タイミングよく電話のベルが鳴った。

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