晴れのち雨ときどき曇り

『おはよ。晴子ちゃん』

「…雨谷君?具合は?あ、あと、学校は…」

『具合なら、もう大丈夫。連絡網も大丈夫だよ。晴子ちゃんの次の子にも連絡したし』

「そう、良かった。でも、どうして?」

『今日、最終日でしょ?』

 雨谷は、あの約束のことを言っているのだろう。

「…そう、だけど。ねぇ、それより学校はあるの?」

『ないよ。今日はお休み』

 雨谷の声は落ち着いている。

 どうやら、体調が悪い訳では無いらしい。

「…そう」

『まだ、あれって有効だよね?』

「延長ってこと?」

 晴子は、もうあの賭けとは関係無しに条件を飲むつもりでいた。

『うぅん。だって、それでなくても、もう延長してるし…』


「雨谷君。今、何処に居るの」


 妙な静けさが先刻から気になった。

 家庭の生活音というものが雨谷の電話先からは聞こえてこないのだ。


『…学校』

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