晴れのち雨ときどき曇り

 窓がカタカタと鳴いていた。

 風の所為だった。

 ビュウ…っと強く音を立てながら雨を含む雨だった。

(よく学校まで来れたよなぁ……)

 雨谷は、気の抜けた表情で肘をついていた。

 学校には、裏門から忍び込んだ。

 図書室の鍵を太めのクリップを解して開けた時には、何とも言えない高揚感があった。

 今思い出しても背筋がぞくぞくするような感覚が蘇る。

 誰も居ない学校。

 図書室。

 雨谷は、窓の外を見ていた。

 彼女の慌てた様子を目の前で見てみたかった。


(でも、物凄く怒られそう……。)


 彼女は、怒ると恐い。

 冷ややかな冷気を漂わせて静かに怒るので、目の前で叱られるのは嫌だな、と雨谷は思い出しながら笑う。

 電話口でもあの迫力だったのだから、直接あの勢いで言われていたら体がすくんだかもしれない。


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