晴れのち雨ときどき曇り

 図書室の中が鋭い光で照らされる。

 雷雨だった。

 もう、晴れないだろうと雨谷は思う。


 上を見上げて、落胆混じりに視線を落とした。


 雨谷は、息を飲んだ。

 そして、そのまま吐くのを忘れそうになるところだった。

 雨谷は目を見開く。

 雨谷の視線の先にあったのは校門の前の黄色い人影だった。

 それは、正門を開けようと門に手を掛けては揺らす。

 正門は、開かないのに。

 その人物は、見覚えのあるカッパを着ていた。

 黄色い、カッパ。

 きっと後ろには赤い文字がプリントされている。

 心臓と肺がせり上がるような焦りと、驚きが、雨谷を襲う。

 雨谷は図書室を飛び出した。
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