晴れのち雨ときどき曇り

 置きっぱなしだったジャージバックには、替えのTシャツまで入っていて雨谷は過去の自分を誉めたくなった。

「はい、晴子ちゃん」

 雨谷はタオルを晴子に渡した。

「……使用済み…?」

「スペアの方!…何か、傷つくなぁ…」

 雨谷は口を尖らせて言った。

「…俺、一応綺麗好きなのに」

「綺麗好きがジャージ置きっぱなしにするの?」

 雨谷は「…むぅ」と頬を膨らました。

「…ありがと」

 晴子は、差し出されたスポーツタオルを受け取る。

「天気予報、大外れじゃん…」

 雨谷は「あーぁ」と残念そうに呟いた。

 でも、直ぐに向き直ってにっこりと笑う。

「でも、俺、嬉しい。晴子ちゃんが来てくれて!」

 雨谷は唇でキレイな弧を描く。


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