晴れのち雨ときどき曇り

そう言えば、星野明と言う女の子と始めに話したのはいつだっただろう。

あれは、一段と陽射しが強い日だったと思う。

俺はグラウンドの木陰に座っていた。

他の奴からはサボりと思われているらしい。

その方が何かと楽なので、俺は別に構わなかったし弁解もしなかった。

その所為で誤解されることも多いが、同情などされて気遣われるよりはマシだろうと思う。

「…日向君」

(そうだ。)

この時、俺は始めてちゃんと星野と話したんだと思う。

彼女は保健委員だった。

「何?」

「…大丈夫ですか?保健室とか行った方が…」

あからさまに脅えながら話されると、まるで此方が悪者のようだ。

「…別に、いい」


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