恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~


中学から莉子とは一緒だった。

高校に入ってからもクラスが偶然同じになり更に仲が良くなった。


莉子は明るくてお茶目で可愛いくて自慢の友達だった。

ケンカもした事もなければ言い争いもした事が無い程で。



そんな莉子が今私に怒っている。

こんな姿見た事ない。



自分でもあんな事言うつもりが無かったけど、いつもの冷静さで居られなかった。

誰に向けていいのか分からない怒りと失望を莉子に向けてしまったんだ。

こんな私をそっと見て支えてくれた莉子に感謝しなくちゃいけないのに。




”自分で何も動かない、しないで何が言えんの!?”



その通りだ。

私は何もしていない。

それに比べ莉子は田崎先輩に片思いしてた時毎日の様に応援に行ったり、て話しかけてみたり頑張ってた。


先生の事何も言わない私にきっかけや背中を押してくれたのに・・・





馬鹿だ・・・私。


今頃分かっても遅いよね。


ごめんね、莉子・・・


















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