恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~

風が更に強くなってきて外を見ると雲行きが怪しい。


雨降りそうだなぁ。


夏の空は気性が激しくみるみるうちに暗くなっていた。
次第にポツポツと雨が降り出した。


先生もその様子に気が付き

「もう、切り上げた方がいいな。」

と言った瞬間、





ピカッ、







ドンガラシャーー!!!







  


鼓膜が震えるような物凄い雷の音。






「ひゃ!!!」



私は驚いて椅子から立ち上がってしまった。


実は昔から大の雷嫌いで、耳を塞ぎながらお母さんにいつも付いてもらっていた。



その癖で耳を塞ぎガタガタと震え出す。


「大丈夫か?」

先生の呼びかけにも答える事が出来ない。

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