恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~

学校はさすがに閑散としていてほとんど誰にも会わなかった。


しかし、体育館に入ると他の部も大会が近いのか多くの生徒で賑わっていた。


莉子は田崎先輩を見つけると「田崎先輩!!」と声を上げる。


その呼び声に反応して生徒達が一斉に視線を私達に向ける。


莉子は相変わらず田崎先輩に手を振るが、私は恥ずかしさで一杯。


穴があったら入りたい。


でもそんな私でも見逃さなかった。



先生今日来てるんだ…




先生は一瞬こっちをみたけど、すぐに練習に戻ってしまった。



久々に見た姿は変わっていなかったけど、とても新鮮だった。


スマッシュを打つ度に白い息が出て格好いい。

冬の寒い中、顔を赤くし汗を拭く姿も格好いい。

見る全てが魅力的で目を奪われるんだ。




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