恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~

先生の車は黒いちょっとスポーツタイプのコンパクトカー。

先生にぴったりの格好いい車。



助手席には田崎先輩、後部座席は莉子と私が座った。


弾む会話中も、乗る事の無い助手席を見て田崎先輩を羨んだ。




神社に着くと、どこから湧いたのか分からない程の人、人でごった返していた。


境内に近付くにつれ更に人の数が増え、いつの間にか莉子と田崎先輩ははぐれないようにか手を繋いでいる。


周りを見るとカップル達の多くは手を繋いでいた。


いいなぁ、私もいつか誰かと繋ぐんだろうか…

でも、思い浮かぶのは先生しかいない。


私、この先も先生しか好きになれそうもないよ…





先生の顔の方向に目を向けるが、そこには先生の姿が無かった。


莉子達の姿も無い。


慌てて辺りを見回すが見知らぬ人ばかり。




…はぐれちゃった!






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