恋の忘れ物 ~先生と私の追憶~
背伸びをしても自分より大きな人ばかりで先生たちを探すことが出来ない。
ただキョロキョロするか、人ごみの集団の列に流されるだけ。
どうしよう・・・
こんな沢山いたら見つけられない。
段々と深刻になってきた。
巾着の中から携帯を取り出し、莉子に電話をかけようとするが気持ちが焦って手がおぼつく。
---ドンッ
後ろから誰かに押され、持っていた携帯が手からすべり地面に落ちた。
携帯は沢山の足に蹴られ見る見るうちに自分から離れていく。
腰をかがめて一生懸命に追う。
「・・・誰か・・」
誰か私の携帯拾って。
肝心な時こそ声が出ない。
そう思っている時、
誰かが私の携帯を拾ってくれた。