夏恋




知ってる



ほんとは私を好きじゃないってことぐらい




それでもよかったんだ、あの頃は



ただ側にいるだけで幸せだったから




でも今は、欲張りになってる



「葉山くん、葉山くん!」


「えっ、あっ、どしたの?相内」




「もうすぐお昼休み終わっちゃうよ」



あの子・・・・佐原さんが通る数分だけ我慢すれば、葉山くんは私を見てくれる





「やべっ、早く食べなきゃ」



「急いで食べると喉に詰まらせちゃうよー?」



「いいのっ、早く食べて相内と話したいし」




ずるいな、葉山くんは



一瞬で私をトリコにする






でも、私の方がずるいね・・・・



佐原さんも、葉山くんを気にしてるって、






わかってるのに言ってあげないんだから









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