届かない、スキ
こんなに辛い思いをするのなら、諦めた方がよっぽどマシだといつも思っていた。



でも、だけど、その度にあいつが邪魔しにくるんだ。



しかもグッドタイミングで…。



「おう海里っ!!!そこ、席空いてるー?」


ほら。優太のまぶしい笑顔。


「だめだよ、ここは優奈の席!」


そんでもって素直になれないあたし。



それに優太はいっつも男子に囲まれてるし‥

はっきり言って、座れないの分かってんのにわざと聞いてんの?



って思う。


優奈が戻って来て座ると、優太は「なるほど!」と言って近くの椅子を引っ張って来た。


「ごめんお前ら!俺今日はこっちで食うから!!」


周りにいた男子は、


「また海里かよ〜‥」


と言って去って行った。

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