届かない、スキ
あたしだって、当日手渡ししたいんだけどなー…


チョコの材料を買いながら優奈の言葉を思い出していた。


あ、抹茶パウダー発見!!

しかも最後の1個!

急いでカゴを置いて一番上の棚に手をのばす。


『パシッッ』


「あ…」

いきなり視界に飛び込んできた手を辿ると、そこにいたのは隣のクラスの青山さんだった。

彼女も中三から優太をねらっている。
そして悔しいことに学年の女子の中で一番背が高い。


「あら、ごめんなさいね。私が先だったみたいね♪」


嫌味な笑みを残して、青山さんはツカツカとレジに消えていった。

キ—ッ!!!ムカつくなー!
見てろよー!明日、絶対負かしてやるからっ。


ということで、抹茶パウダーは諦めたものの、必要な材料はそろった。


・ナッツ

・板チョコ

・ラッピングセット

・メッセージカード

・ペロペロキャンディー



最後のは、あたしの必需品だ。








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