ちぇりーらぶ


「音夢…」

いーちゃんは、そう
つぶやいて走り出そうと
したが、あたしが止めた。


「いーちゃん…ごめん。
あたしが…あたしが
みんなを傷つけた…。
ごめんなさい」


涙があふれてきた。


「ごめんなさいっ…ヒクッ

あたし…ヨウくんに
ヤキモチやいて
欲しかったの…。
ごめんなさいっ…ウッ…。

あたしのワガママで…
みんなを傷つけた!!

あたしが…がまん…
すれば…傷つくことは
なかったのに…ヒクッ!」

ポンポン


いーちゃんの大きな手で
頭をなでられた。

「がまんするのはよく
ないよ。誰かを傷つけて
しまっても、その傷は
来夢が治せば
いいんじゃないか?
終わってしまった
ものは後悔するな。
先のことを…前向きに
考えてみろよ」


そういういーちゃんは
とてもやさしくて、
あたしの涙は
止まらなかった。
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