―ソウ―



──────……



人気のない場所まで来て足を止める。



「幸奈…大丈夫?」



心配そうに私を見つめる理恵の顔。頬が赤く腫れている。





─…私が殴られるはずだったのに……。




思わず俯く私に、
「こんなのどうってことない」
と、いたずらに笑う理恵を見て



─…涙が溢れた。




「ご、め……っ
…ぁ…っりがと〜…」




理恵に抱きつき、子供のようにワンワンと泣いた。
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