―ソウ―
───…私をかばった次の日から、理恵はクラスから『シカト』と言う名のいじめを受けるようになった。



気づいているはずなのに、誰もが知らないフリをした。



自分を守るために…。



結局、私は理恵に何もしてあげられなかった。



守ってあげられなかった。



強くて、優くて、いつも笑顔の理恵が独りで泣いている姿を見た。



胸が苦しくて…
苦しくて…
何もできない自分に腹が立った。





──…中学3年の冬。

人の裏切りを知った。

人の愚かさを知った。

己の無力を知った。
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