LINK~繋がり合うもの~


「萌黄…この感じは…もしかして……」
「あぁ…理科準備室の隣で行われていたのは、人体実験ではなく、魔術だ」
理科準備室の隣、立入禁止教室の前に立った萌黄と紫苑は、目を合わせた。
「朔夜、お前はどう思う?」
顔は向けず、声のみ後方の朔夜へ問う。
「…萌黄の感じた通りだと思う…魔術間違えて、大変なコト……起きてる」
鋭い瞳でソコを見つめる朔夜に、萌黄は厳しい視線を向ける。

「ドアに術はかけられていないな?」

「…うん…」

「開けてもいいか?」

「ダメ」

「何故だ?」

「…きっと、ココにいるオレ以外全員、この術の発動用の呪文(ことば)知ってる…。
術に飲み込まれる可能性が…凄く…高い…」
朔夜の言葉に、4人は気付いた。

―発動の為に用意された呪文がなんなのかを…―
「今は…無理。オレでも、たぶん萌黄しか守れない……」
4人は、息を飲んだ。
その時、人の気配に5人は振り返った。
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