LINK~繋がり合うもの~
「お前は…何を望む…」
昼時から急に降り出した雨で外は暗くなっていた。
視力の上がった萌黄は、眼鏡を外し、桜の木の下にいる少女に話しかけている。
雨の日な昼休みは教室や食堂に生徒が集まる。よって、裏庭の《桜の木》に向かって話かけても、誰も気に止めない。
―…私は…私みたいな人が増えるのを…
……阻止したい………―
少女は寂しげな顔で囁く。
「自分の幸せは…いいのか?」
萌黄は柔らかい声で尋ねる。
―私はもう何も出来ない…だから…
見守るしかしかないの
…輪廻の輪も…
…転生する力もナイ…
私は
過ちを繰り返すことを
…止めたいの…
貴女の…望みは?…―
「オレは…オレの望みは
探しモノを見つける
ことだ…」
―…探し…モノ?…―
「あぁ…それは…………」