LINK~繋がり合うもの~
萌黄は、瞳を開けた。
「…夢か……」
萌黄はいつもの様に、昼を屋上で過ごしていた。
そこで昼寝をして、夢を見ていた…。
4人で怪事件に巻き込まれる前日の……。
隣にいた朔夜をふとみると、心配そうにその紅い瞳を向けていた。
「萌黄…どうかした?」
「…いや…朔夜、お前はオレについていて、いいのか?」
急激な質問に、朔夜は瞳をパチパチさせた。
「どーいう意味?」
「お前はオレを主としているが良いのか、と聞いているんだ」
問いかけの意味を理解すると同時に、朔夜は萌黄を抱きしめた。
「急にどうしたんだよ」
「質問に答えを聞かせろ」 冷たく言い放つ彼女に朔夜は優しく声を発する。
「オレは、《あの夜》萌黄に拾われなかったら死んでたし、他の人なら気味悪がられてどうなったか…どのみち、最悪だったんだ。
他の誰でもなく

萌黄でよかった

って思ってる。
だから、安心して契約結べたんだ。
誰が何と言おうと、オレの主は、萌黄だけ…」
力説する朔夜に萌黄は笑った。
「ということは、オレは必要なんだな…」
いつもの彼女に戻ったのを確認すると、朔夜は甘えた声をだした。
「…腹減ったぁ…」
「…あぁ…」
彼は、抱きしめた態勢のままうなじに噛み付き、血を吸った。
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