LINK~繋がり合うもの~
放課後、集まった5人は時間にならないと何も出来ないと言うことで、一度帰宅し、体制を整え、18時に学校校門前に集合にした。
辺りが暗くなった今、萌黄は眼鏡を外している。
「柳、朔夜には《あの話》はするな…一人は残して置く必要がある…」
「…うん…」
《あの話》…すなわち"あかずの間"の話だ。
「下校時刻で学校ん中入るなんて変な感じすんなぁ~」
「夜になると知ってる学校じゃないみたいだよね…」
朽葉と柳は暢気に笑っているが、他の3人は気を張り詰めている。
「リュウ、こんな話をきいたことありませんか?」
その張り詰めた空気の中、紫苑が話し始めた。
「学校というのは、昼間は我々人間が生活し、
夜間は人間の想いを喰らいに人ならざるモノが生活する……。
2つの空間を繋ぐモノだということを……」
紫苑の声は澄んでいて逆に恐怖感をあおった。「柳、朽葉。これからは言葉にだまされるな…。一瞬でも気を緩めれば術中にはまる」
萌黄の声はいつも以上に厳しく冷たい。
それが、この空間の恐ろしさを物語っていた。