LINK~繋がり合うもの~
「その魔力を使いこなしてないだろう…。
器にあわない魔力を使えば術者に負担がかかる。今のお前には、
人としての生気がない」
萌黄の漆黒の瞳には、
雲河叶の姿が人として
映っていなかった。
「言っている意味が
解らな…」
「お前はココで何を行った?
何と契約を結んだ?
…代償に何を払った…?」 萌黄の問いかけに、雲河はただ体を震わせて首を振っている。
ようするに、彼女はようやく理解したのだ。

…自分がどれだけ恐ろしいことをしたのかを…

「助けられるか否かはわからんが、何を行ったのかわからなければ、手の出しようがない…」
「…助けて…くれるの?」
力無く座り込んでしまった雲河は、目の前の萌黄を見上げる。
「結果はどうなるかわからん。
だが、
約束したからな……」
"約束"を守るということは、萌黄にとって特別なこと。
だから、雲河にも助け舟をだしたのだった。

もちろん、萌黄の意志に反対する者はいない。
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