LINK~繋がり合うもの~
放課後、4人は再び文芸部部室に集まった。
「新たな情報入手したよ。5人とも寮生で、2人目と3人目は同室。4人目と5人目は部活が一緒で仲がよかったって…んで、1人目と5人目は付き合ってたらしい」
全員が集まったところで、柳がメモ帳をひろげ、報告した。
「なんや、いつも思うんやけど、リュウの情報網は凄いなぁ~」
「そう?まぁ、早くて正確がオレのポリシーだし…でもオレとしては、朽ちゃんの武芸も充分凄いと思うよ。
もちろん、紫ぃちゃんの魔術関係の知識とか、萌ちゃんの《能力》も凄いけど…」
そこにいる全員の顔を見渡す。
すると、紫苑が立ち上がり、カーテンをめくり外を眺めた。
「…そろそろ暗くなってきましたね。…朽葉、電気を消して下さい。蝋燭をつけます」
朽葉は素直に従い、紫苑は蝋燭に火をつけた。 蝋燭の灯に照らされた萌黄は眼鏡を外していた。
「《魔王様》降臨って感じだよね、いつ見てもさっ」
「魔王ほどの魔力も知識もないぞ、オレには…」
萌黄は苦笑した。
「それで、視えますか?」
紫苑が静かに尋ねる。
「もう少し…闇が深くなればな…」
萌黄は立ち上がり、窓の外の桜の木を眺めた。「にしても、ほんま不思議やなぁ、萌黄の瞳は…」
朽葉の言葉に、彼女は困ったような顔を向ける。
彼の言う萌黄の瞳の不思議とは……