夢見たものは
事実
キーンコーンカーンコーン・・・
「ふー」
「どうだった化学のテスト?」
「ん~、まぁまぁかなー♪」
「余裕みたいね。7番のお・か・げ?」
「う、うるさいなー!」
「ふふ、怒らないでよ。」
「からかわないで!」
「だって、陽菜可愛いんだもん。恋する乙女ですって感じで。」
「やっぱりー?」
「・・・。」
「ちょっと、私が寒いみたいじゃん!」
「実際、寒かったから。そこ否定するでしょ普通。」
「あ、相変わらず厳しいね・・・怜奈。」
「まーね。ところでこれからどうする?」
「あれ、塾ないの?」
「今日でテスト終わったしね。」
「あ、じゃあ駅前にできた雑貨屋さん行かない?」
「いいわよ。あ、でもその前に先生にちょっと用事あるから教室で待っててくれる?」
「あ、じゃあ私図書室に本返してくる。」
「そう?でも残念ね。今日からサッカー部も部活再開よ?」
「べ・・・別に7番が目当てってわけじゃ・・・」
「わけじゃ?」
「ない・・・ちょっとは期待するけど(ボソ」
「ん?」
「何でもない!もう、早く用事済ましてよね!」
「はいはい。じゃ、また後でね。」
「うん。」
7番今日から部活なんだ。
会えるかもってちょっとは期待してたのに。
でも、怜奈何でそれ知ってたんだろう。
まぁ、怜奈は何でも知ってるしね。
私は何も知らずに図書室に向かった。
生徒たちが次々に急ぐように下校していく。
それを横目に見ながら、少し浮かれ気味の自分に苦笑した。
そのときは知らなかった。
本当に何も知らなかったんだ。