夢見たものは
望月先生は隙のない先生だ。
それでいて親しみやすい。
本当にとても良い先生だと思う。
私を香華生徒運営部に入れさえしなければの話だけれど。
しかも部活は活動時間は自由だが、どの部も基本的に毎日あるらしい。
「ここが・・・、部室?」
先生に部室の場所を教えてもらい、来たのは良いのだが・・・
香華生徒運営部と書かれた木の表札みたいなものは傾いているし、埃かぶっている。
扉の窓は曇りガラスなのか、ガラスが埃かぶっているのか分からないが、とにかく中は見えない。
とりあえず、ノックしてみるか。
コンコン・・・
・・・・・。
・・・・。
・・・。
反応なし。
きっと間宮くんとやらは、部活サボって帰ったんだ。
そうに違いない。
「はぁ~。」
自然とため息が出た。
そしてそのため息で表札のホコリが少し飛んだ。
私は少し顔をしかめながら、部室に入ることにした。
ギギギーーーーー・・・・
扉は錆びついた何とも言えない音を立てた。
「え、嘘。」
私は部室の中の光景に目を丸くした。
そこは私が想像していた汚い部室とはかけ離れた場所だった。